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合同会社レップリーガルの信定です。
本日は、「法律事務所で売上一億円を突破できない2つの理由」というテーマでお話させていただきます。
「売上1億円を達成したい!」
多くの弁護士の方がそう思われているでしょう。
しかし、そもそも売上一億円を突破するのはそう簡単なことではありません。
私たちはご依頼をうけて法律事務所の立ち上げをお手伝いすることが多いのですが、若い弁護士の方は勢いがあり、私たちがサイトを作ったりポータルサイトなどウェブマーケティングのお手伝いさせてもらいながらではありますが、マックス1人で4000万円〜5000万円売上を上げられることがあります。
しかし、売上5000万円を達成した時点でそれ以上売上が上がらず3〜4年くらい停滞してしまうこともしばしばあります。
口では「もっと大きくなりたい、拡大したい」「2億3億行きたいです」とおっしゃられる方がいるのですが、結局具体的なアクションに移せないまま停滞してしまうという現象が起こるのです。
ただ、一方で10人に1〜2人は軽く1億円の売上を超えていく方もいたりするので、この前者と後者は何が違うのだろうという疑問が個人的にもあり、よくよく考えてみました。
そして、売上1億円を超えたいと思った時に、2つの壁があるという結論に辿り着きました。
次に詳しく見ていきましょう。
まず1つ目の壁が、ビジネスモデルを2つ以上持っていないと売上1億円を達成するのは難しいということです。
ここでは、売上1億円を達成することにフォーカスしてお伝えしていきます。
私たちがお手伝いしたときによくありがちなのは、集客をしっかり頑張っていてすでに1つのビジネスモデルで成功しきっているという例です。
1つ目のビジネスモデルが上手くいくことはとても良いことです。
しかし、集客をとても頑張ってサイトのSEOも1位、リスティング広告も10〜20万円しっかり出していても、1つのビジネスモデルでは売上で言えば6000万〜7000万円ほどでしょう。それ以上売上が上がらない、SEOもすでに1位だからそれ以上上げようがない、売上1億円は達成しないという状況です。
起業時の勢いや必死感でうまくいくケースがあるというのはもちろんあります。
しかし、やっぱり1つの分野だけだと売上1億円には届かないことが多いです。
例えば離婚や相続で特化サイトを作って、ポータルサイトもココナラや〇〇ナビ、〇〇広場に登録してネットでその分野でしっかり集客します。
東京や大阪・神奈川の横浜くらいの大都市であれば、単体で1億円売上をあげているという話も稀に聞きますが、100万人都市の神戸・京都の規模であれば意外に離婚・相続・交通事故でもなかなか単体の一本槍ではどれだけ頑張っても売上1億円を達成するのは難しいです。
そのようにビジネスモデルが1つだけだと難しく、逆にうまく売上1億円を超える人は2つ目のビジネスモデルをしっかりと構築している方になってきます。
2つ目のビジネスモデルを構築する必要性が確認できたでしょうか。
では2つ目のビジネスモデルはどのように作ればいいのでしょう。
2つ目のビジネスモデルの作り方としては例えば、現在相続をメインで扱っていたら次は離婚を扱ったり、ネット集客で違う分野に派生することが1つです。
もう1つはリアル営業で顧問などの案件を取っていき2つ目のビジネスモデルを作る例です。
例えば交流会に参加したり、飲み会に自分から参加したり、地域のコミュニティにどんどん入って知り合いを増やし、リアルから定期的に顧問や単発の案件がもらえるようにするのもありだと思います。
このように2つの方法でしっかり集客できないと難しいです。
どうしても私たちがお手伝いするクライアント様は、ネット集客で始める人が非常に多いです。
言ってしまえば、ウェブ集客はリアル集客に比べて楽です。
外に出たくない人が多く、サイト制作も人に任せてやって、言われた通りにある程度やっていたらうまくいくというのが前提にあるので、そこからリアル営業にいくのが難しいという心理が垣間見れます。
次に2つ目のビジネスモデル用にサイトを作りましょうとなった時に、記事をまた作り直さなければいけないので、腰が重くなったり、2つ目を作るにしても1つ目とは必死感が違うのでサイト制作が少し適当になってしまったり、作ったのはいいけれど1つ目ほど上手くいかないケースが多く見受けられます。
よって、売上1億円が達成できない理由の1つ目の壁はビジネスモデルが2つ以上必要なのに、その2つ目のビジネスモデルを構築できない点が挙げられます。
売上1億円を超えられないもう1つの壁は、弁護士1人ではなかなか1億円を超えるのは難しいということです。
よっぽど特殊な案件なら1億円は超えられることも稀にあるのですが、普通の町の弁護士が1人で事務所を運営していて、1人で売り上げ1億円超える例はあまりありません。
売上1億円を目指すとなると単純に弁護士は最低1人か2人は必要になってきます。
自分を合わせて3人程度弁護士がいないと売上1億円は達成が難しいです。
売上の大体のイメージは、代表弁護士が5000万円くらい売上を上げてあとの2人が大体2000万〜3000万円くらい売上を上げるというのが定石で、それでようやく売上1億円が達成できるイメージです。
つまり、弁護士を雇うというアクションをおこさないといけないのですが、人を雇う時に壁になるのが、雇わないという選択肢が自分の中にあることです。
なぜ雇わないのか?考えたところ、雇わない理由は2つに絞られます。
雇わない理由の1つ目は、人を雇っても自分が思ったようにその人が動いてくれないことです。
当然のことですが、他の弁護士さんを雇った時に、雇った弁護士さんに対して自分ほどのスペックは求められません。
そもそもスペックがあれば独立しますからね。
弁護士さんの中には完璧主義者の方も多いので、仕事を任せた時に「あれっ!?こんなはずじゃなかった」とボロがでたり、「自分がやればこうなるのに」など、仕事を任せることに対して求めるレベルが高くなってしまったり、任せた仕事を「任せても大丈夫かな」「本当に最後までできるかな」と、すごく気になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結局雇った側が「人を雇っても自分が思うようにやってくれない」という自分の気持ちの葛藤に耐えられないので雇わないという選択をしていることがあります。
人を雇っても上手くいく人はどのように考えるのかというと、いい意味で言うと器が大きい、気にしない。
反対の意味で言うと、あまり細かくない、目をつぶれる。
ミスが出た時もあまり気にせず責任だけは持ってあげるというような人が大きくなる傾向にあります。
上手くいくコツは、例え雇われた人に対して自分と同等のスペックを求められなくても、その人には自分が持っていない魅力を持っていることが絶対にあるはずなので、そちらに目を向けるようにすることです。
もう1つの人を雇わない理由は、費用が思いの外かかるからです。
ざっと計算したものを表をまとめてみました
1人で5000万円の売上を上げる時に実際どれくらい利益がでるかを考えてみました。
1人事務所で事務員さんを1人雇いたいとなった時、事務員さんのお給料が30万円くらいで諸経費やボーナスなどを合わせると大体年間400万円くらい想定しておいたら良いと思います。
次に家賃も1人事務所で1人事務員さんだったら15万円くらいの賃貸物件で十分かと思います。
広告費も1人事務所なので売上5000万円から逆算して6%くらいに設定して300万円くらい突っ込めば問題ないかなというところです。
その他、光熱費や雑費は月10万円と考えて年間で120万円と考えます。
ここに交際費や弁護士の給与は入っていませんが4000万円くらいは手元に残ることになります。
この4000万円の中から給与や飲み代の経費や社用車を買ったときの車代を出しますが、結局自分のお金ですから、ざっと4000万円は利益として出る計算になります。
もちろん、税務上の利益(純利益)とはまた違いますが、ざっくり使えるお金のイメージでは5000万円の売上に対して4000万円くらいとなるでしょう。
以上のことから、弁護士業は高利益率のビジネスと言えるでしょう。
ところが、3人人を雇った時に「3人も雇えば利益が6000万円、7000万円と最低でも倍くらいになるのかな?」と思いがちですがそうはいきません。
売上が5000万円から1億円になった時に利益が8000万円になったら万々歳なのですが、そうはならないことが多いです。
例えば弁護士さんを代表弁護士(自分)+2人=3人で1億円を稼いだ時に、やはり弁護士1人に対して事務員さん1人くらいで3人くらい必要だと思います。
単純に事務員さんを雇う費用で400万円×3人=1200万円くらいかかります。
家賃も6人くらいだと手狭なので20万円くらいの賃貸物件と想定します。
広告費に関しても1億円くらいの売上ということで10%くらいは出さないといけないので1000万円くらいかかります。
そして大きくかかるのは弁護士さんを雇う費用で、これはかなり振れ幅があると思いますが相場より高めで想定して2人で1600万円とします。
その他に関しても3倍くらいかかるだろうと予想します。
弁護士を2人雇った時に、いったいどれくらい利益として残るのかというと、ざっと5600万円の利益になります。
結局売上1億円になった時に、7000万〜8000万円利益が残ったらいいのですが、弁護士1人で売上5000万円と、弁護士3人で売上1億円で比べたときに思っていたほど利益が残らず1600万円しか変わらないんですね。
リアルなところで言うと税金もかかりますし、ここから純利益だったら税金が半分かかってくるので所得にするとほとんど変わらないくらいになってしまいます。
そういう計算になるので、先ほど言ったように費用が思いの外かかるので人を雇って売上1億円を上げることに躊躇する人が多いのも頷けます。
3人で1億円だったら代表弁護士も5000万円くらいの売上を上げてそれなりに働かないといけないので仕事量が劇的に減るかというと1人の時と比べてあまり減りません。
その割に対人ストレスがかかったり全体的な責任を負わないといけないので、売上1億円というラインでブロックがかかるのですね。
つまり、売上1億円を達成できない壁は2つで
結局のところ、この2点が壁になるのかなと思います。
とはいえ、事務所を大きくしたいという方も多いと思います。
もはや事務所を大きくしたいかどうか、売上1億円を超えたいかどうかは価値観の話になってきます。
売上1億円を達成させるのに向いている人はこんな方です。
1つ目の価値観で大事なことは、自分の大切にするものは何か?です。
お金と時間のどちらを大切にしたいかという問いに「時間」と答える方は事務所を拡大させて1億円を達成させるほうが良いでしょう。
3人弁護士がいれば仕事をある程度振っていけるのは事実ですから。
5000万円+2500万円+2500万円と言いましたが、これはあくまで例であって、実際はもっと仕事量を振れると思います。
世の中にはお金よりも時間の方が大事と考える人もたくさんいます。
いくら成功しているといっても1人事務所で5000万〜6000万円の売上で全然時間がないという方も多いですよね。
土日も休みなく働いています、とか、夜でも対応しますみたいな方がとても多いですが2〜3人くらい弁護士を雇えば結構仕事を任せられるので、雇った弁護士に任せて自分は時間を大切にするという選択肢もあります。
そう言う意味で、人生の中では「時間が大事だ」と考える人もたくさんいるでしょう。
あとは単純に「事務所自体を大きくしたい」という欲がある方もいらっしゃると思います。
それも考え方の1つです。
要はそのあたりの価値観の違いで何を優先して考えるのか。
時間を大切にしたいと考える方や、スケールメリットを増やしていきたい方は人を雇って売上1億を目指す価値があると思います。
ご自身の中でそのあたりの価値観を明確にしてから売上1億円を目指すのかどうかを決めても良いと思います。
ですので、一概には言えませんが、自分がどういう価値観を持っているかを見極めましょう。
売上を1億円にすれば、入ってくるお金は大きくなりますが出ていくものも大きいことを理解しておかないといけません。
この2点をどちらかでも考えている方は売上1億円を超えるのもアリです。
以上、法律事務所が売上1億円突破できない2つの理由でした。
最後までご覧いただきありがとうございました。
共同代表の川原と共に合同会社レップリーガルを立ち上げる。サイト制作のマーケッターとしてサイト開設のディレクション、コンテンツ作成に携わる。ターゲットが思わず読みたくなる、集客に繋がるコンテンツ作りのプロとして、法律事務所のサイトを250以上構築し、常時20個以上運用・サポートを行っております。