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いつもご覧いただきありがとうございます。
合同会社レップリーガルの川原です。
今回のテーマは結構専門的な内容となりますが、「医療過誤案件の取扱いのポイント」についてお伝えします。
以前私たちの動画で「2022年上半期で熱い分野」というコラムと動画を出しましたが、そのご紹介させていただいた分野の1つに医療過誤の分野があります。
私の法律事務所での経験も踏まえて最新の情報とそれに対する対策について共有させていただきたいと思っております。
先のコラムや動画で「医療過誤分野がアツいぜ!」という風に豪語して、それを他の弁護士さんにもお伝えし、実際ご登録される方が多くて弁護士ドットコムのデータでも問い合わせ数はうなぎ登りです。
これは担当者さんと確認済みの事実で、一言でいうとバズっている状態とも言えます。
弁護士ドットコムの注力分野の一つでもある医療過誤分野で、実際に川原事務所でも多数のお問い合わせをいただいている状況です。
前置きはさておき、ここからはリアルな事実のお話をします。
それは、実際に受任が無いという現実の壁にぶつかっていることです。
繰り返しますけれども、医療過誤分野については、問い合わせはとても多いのですが、受任が難しいことが明確になってきました。
そこで今回は医療過誤分野の受任が難しい理由を2つご説明させていただきます。
受任が難しい理由の1つめは、医師側の過失認定が難しいことにあります。
実際にメールや電話などでご相談いただく方から話をお伺いしていると、私たち素人の目から見ても「どう見てもその処置はおかしい」と“医療過誤に該当する”と判断できる事案は多いです。
しかしながら、医療過誤という案件として進めていくにあたり、1つの壁があります。
医療過誤案件を進めていく上で、医療過誤を行ったとする医者の行為について、別の医者から「確かにその行為は明らかに医療過誤だ」という意見書を裁判の証拠として書いてもらう必要があります。
これが難しいポイントで、その意見書を書いてくれる医者は、実際に診察をしていないので第三者である医者が患者の治療過程を判断するのが難しく、意見書を出すことを躊躇するようです。
判断が難しいこともさることながら、やはり同業なので同業に意見するというのが難しいという仲間意識的なもので拒否される方も多いです。
ここに端を発しまして、民間の業者が「この医者なら書いてくれますよ」と医者を囲い込んで意見書を作成するようなサービスが増えてきています。
これも本当にリアルな話で、その時の状況によっては、その意見書の作成に100万円近く費用がかかる、一言でいうと完全に足元をみている状態が見受けられます。
シンプルな医療過誤案件だとしても、費用倒れになってしまうことが多々あり、諦める方が多いのが現実で、事務所としてもそういった案件はできないと判断し、費用倒れになってしまうのでやめておきましょうと案内せざるを得ないことがありました。
以上が、医療過誤案件の受任が難しい理由の1つめです。
次に医療過誤案件の受任が難しい理由2つめは、「交渉案件として取るにはコスパが悪い」ことが挙げられます。
先述したように、医者が過失認定は難しい・行わないのであれば、せめて裁判を通さない交渉案件としてならば受任がありなのではないでしょうか?
医者と弁護士が話をしてそこで解決していくよう協議で話し合ったら良いのではないか、まだ受任する価値があるのではないかと考えました。
すると、見えてきたのは、交渉案件だけで裁判まではせず、そういった契約で受任する話のため、そもそも弁護士費用は安く取らざるを得ないことが、コスパが悪い1点目としてあげられました。
それは100歩譲って仕方がないとして、交渉案件として交渉するには実際に行われた医療行為と結果について弁護士(依頼者)側が因果関係を立証する必要があります。
例えば、Aという行為が行われたことによって、Bという結果が出てきた。
ということを証明するためには、当たり前ですが、深い医療知識・見地・実績が必要となり、知識がないことには理解ができないこととなります。
もちろん、その因果関係を立証するような知識のある弁護士ばかりではないですし、先ほど申し上げた通り、安い着手金でそこまですることを考えると、正直なところコスパが悪いという結果になってしまいます。
とはいえ、案件によっては因果関係が明確な場合もありますし、人にもよりますが医者が快く意見書を書いてくださることも無きにしもあらずなので、一概に医療過誤案件はやめておきなさいよという訳ではありません。
しかしながら、実際に運用していった時に難しい側面があることも分かってきました。
分野の1つとして“問い合わせがあるから皆さんやってみてください。
”と手放しでオススメせず、きちんと難しい側面もあることを今回共有しましたので、それを理解した上で分野選定されてください。
法科大学院を卒業後、父親が経営する川原総合法律事務所の営業責任者として勤務。入社当時は事務所は紹介営業に頼っていたため年々売上が減少し、このままの状態では事務所経営自体が存続できない状態となる。そこで、一念発起しインターネット集客を事務所に本格的に導入。
当初は、手当たり次第に集客を試みるがほとんど成果に繋がらず苦悩。しかし、半年間ほど苦悩し努力を続けた結果、徐々に問い合わせが増えるようになる。その後の3年間で当初年間200件程度だった事務所の相談件数が6倍の1200件に急増。
そして、自身の法律事務所集客ノウハウを自分の事務所のためにだけ使うのではなく、「優秀な弁護士の先生方を少しでも世の中の人々の身近な存在として知ってほしい」と考え、弁護士専門集客カンパニー合同会社レップリーガルを設立。一般的なホームページ制作会社のマーケッターとは違い、法律事務所の目線に立ち、ただ単にホームページを作るのではなく、ポータルサイトとの連動、弁護士の先生方の特長や業務内容などを踏まえた上で、法律事務所の収益アップを実現するための全面的なアドバイスを実践しております。